温故知新

書家の日常

温故知新(おんこちしん)を訓読すると、「故(ふる)きを温めて新しきを知る」となる。だから、その訓読の記憶から「温古知新」と書きそうになった経験を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

原文
温故而知新可以為師矣

故きを温めて新しきを知らば、以って師となるべし。
※「温(あたた)めて」を「温(たず)ねて」と読み下すこともある。

『論語』「為政(いせい)」

古くから伝わる教えや学んだ事柄を何度も調べ考えたりし、新しい知識や見解をひらくという意味だが、書を学ぶものとしては、非常に身近な言葉のひとつ。私も、この四字熟語は、好んでよく書きます。

先日、稽古に来ていた、受講生と四字熟語の話をしていて、思い出した作品があった。

ある方から知り合いの結婚祝いにしたいと、ご依頼を受けご希望の「温故知新」を書いたが、納品したのは別の「温故知新」で、下の写真の「温故知新」は同じ時に書いたが、処分できずに寝かせてあったもの。数年後に掛け軸に仕立てて個展で展示しました。

写真の画像処理でにじみの色が微妙に出ていないことが、残念でならない。画像処理技術は、年々上がっているものの、書道にしろ、美術にしろ、芸術系の表現の全てを写すことは、まだまだ難しい。その点、人間様の眼ってスゴイと思う。

だからこそ、

書作品は、生で見るべき

なんです。


にじみとカスレの潤滑を強調し古いものと新しいものとの違いを強調したが、カスレの部分で、筆との格闘が楽しかったことを今も鮮明に記憶に残っている作品です。

画像処理技術は、年々上がっているものの、書道にしろ、美術にしろ、芸術系の表現の全てを写すことは、まだまだ難しい。その点、人間様の眼ってスゴイと思う。

書道家、あるいは書家は、作品を依頼されたらハイハイと二つ返事で一、二枚で仕上げられることが理想なのかも知れない。しかし、私は、筆で字を書く前に草稿を重ねて、筆をもってから何十枚も書く。紙を選び、墨を選び、とっかえひっかえ、出来うる工夫は全てする。そうして、方針が固まったら、更に書き込む。
そうでもしないと、人様に貰われていく子を送り出せるものではない。まだまだ、気が小さいのかなぁwww

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